日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、日本国内航空(JDA)の 3社が激しい競争を繰り広げていた 1960年代前半、ANA と JDA もジェット旅客機の導入を計画していましたが整備面を含めた安全性確保の観点から運輸省(当時)により「国内線用ジェット旅客機は同一機種を使用すること」との通達が発出され 3社は B727 の導入を決定しました。
JAL と ANA はそれぞれ 1964年1月に発注し 1965年に受領・運航開始の予定でしたが ANA は1964年5月25日にボーイング社からユナイテッド航空向けの機材(N68650)と乗務員をリースした B727 を JAL が CV880 を飛ばしていた羽田⇄千歳に就航させました。最終的に ANA は自社導入機 35機と他社からのリース機 10機の B727 を運航しました。
名古屋空港(小牧)をタキシングする B727。この JA8344 は HF 通信システム等国際線運航用装備を追加した国際線チャーター便用の機材です(JA8343、JA8349 と合わせて 3機)。1972年6月26日に日本に到着後、8月16日には初の中国(上海)乗り入れを果たしました。